広告批評

ビタミン炭酸MATCHのCMまとめ。名コピー「大人が飲んだらタイホだぞ」等

ポカリスエット、カルピス、コカ・コーラをはじめ、清涼飲料水には良いCMがたくさんあります。お茶ともコーヒーとも違う、ジュースだからこそやらなきゃいけない差別化、表現部分でのシーズンごとの突出したイメージを作り出すために、本当にクリエイターたちの知恵が絞られているなぁと感心するのですが、本日は「ビタミン炭酸MATCH」のCMを歴史を振り返りながらご紹介します。

2000年、ビビアンスーを起用。「ビタミンすぅー」

これ以前のMATCHのCMを知らないので、過去の変遷はあまりわからないのですが、少なくともここ20年くらいの流れでいうと、「青春」というコンセプトがこれ以降のMATCHのCMにも脈々と引き継がれています。すべてのMATCHのCMは、青春で紐解けます。

ビタミン飲料MATCHとは、製品も大幅に改良されず、CMコンセプトも大幅に改良されないまま、毎年毎年新しく世に出てくる高校生に支持され続け、生き残ってるわけです。いわば「マーケティングお化け」みたいな製品といえます。

このCM、BGMは当時高校生に絶大なる人気を誇り、175RとかBUMP OF CHICKENなどとともに一世を風靡していたチャコールフィルター (CHARCOAL FILTER)。CMを真似てダンスを踊る高校生が多かった記憶も。

2001年、「乾かないなんて、嘘だろ」

2003年頃まで引き続きビビアンスーを起用しながら、青春しばりなTVCMの展開。

メッセージは「乾かないなんて、嘘だろ」という内容に。高校生の飢餓感を言い当ててるような、良いコピーだなと感じます。

ちなみに製品の冠的につけられていた「ビタミンすぅー」というコピーは、この頃を堺になくなります。もちろん引き続きビタミン飲料とわかるような訴求にはなるのですが、かなりサブ的な扱いになります。要するにビタミン補給飲料としての訴求は捨てて、やっぱり「青春」表現に100%振り切ることにしたのかなぁなどと考えるわけですね。

2008年、女子高生ボクサー起用で「可能性∞飲料MATCH」

MATCHは2008年、女子高生ボクサーの酒井理絵を起用したCMで「可能性∞飲料MATCH」を銘打ちます。女子高生×ボクシングという離れたコンセプトが織りなして通ったような企画感はありますが、引き続き青春をテーマにした青々しさが見れますね。

2009年、南明奈を起用。「大人が飲んだらタイホだぞ」

さて、引き続いて2009年には南明奈を起用。名コピーでありある意味問題作(?)でもある「大人が飲んだらタイホだぞ」「高校生しか飲んじゃダメ」を打ち出します。

これ、クリエイティビティの完成度の高さに、今見返しても嫉妬するレベルなんですよね。10000回くらいMATCHのCMを作ってみて1回でもこんなのが作れるのか、というと、たぶん作れないので、才能に嫉妬。
たぶんキャッチコピーとCMビジュアルがいっぺんに思い浮かんでる感じなのでしょうか。芸術だなぁ…。
男子高校生の妄想的な中身で、憧れのグラビアアイドルと浜辺でたわむれる様は、やはり青春の1ページというところでしょうか。

ちなみにこのCM、「小学生や中学生はダメなのか?」「差別のようだ」などのクレームが寄せられ、放送禁止になったという噂も。放送禁止というよりすぐ他のCMに差し替えられたこと自体は真実なので、こういう噂が尾ひれついてくるところもなんだかレジェンド級のCMの出来を感じさせますね。

2011年、手越を起用。「走れ!ビタミン炭酸」

メロス扮する手越がなにか走ってチャレンジする一連のCMなのですが、全部失敗するんですよね。うまくいかないもどかしさ、やり場のない感情を、コミカルかつ誰も悲しまない形で表現することが試みられています。シリーズ一連の統一コピーは、「走れ!ビタミン炭酸」。疾走感あるCMとなっています。

かわいい女性を起用するだけがMATCHのCMではないわけですね。青春縛りの中でもここまで遊んでくるMATCHのCMの幅の広さに感心します。

2015年、広瀬すず起用。「青春がないのも、青春だ。」

結構ド直球で来たな、と思うのがこちら、広瀬アリス&すずを起用した2015年頃のCMです。クラスの女子に対する恋心がなかなか叶わない男子生徒を描いているわけですが、こちらも全部が全部、叶わない。うまくいかない。
表現手法として「アウト!」と審判が掛け声をかけてくれるところまで含めて、コミカルさを残しつつ、「走れメロス」版の手越とはまた違ったほろ苦さを残したCMになってます。
広瀬アリス版はこちら。CMソングの西野カナもいい味だしてますね。
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